これまでずっとレンタルサーバーはロリポップのスタンダードを使用してきました。
安い、そこそこ容量大、恐ろしく遅いわけではない、コントロールパネルが使いやすい
まあそんな感じでめちゃくちゃ不満があるわけでもなかったので長年使っていました。
(ワードプレス移行するのが面倒というか気が重いのもあり・・・w)
しかし、最近ロリポップは容量のみならずファイル数でも制限すると発表しました。

それがきっかけで、他のレンタルサーバに乗り換えするつもりで色々検討していました。
6か月更新で6月に更新したのもあり、契約満了までは時間があるのでゆっくり考えようと
検討していました。定番のXSERVERやKUSANAGI対応サーバなど移行するなら高速なのが
良いなと思っていましたが、ConoHa WINGの話題を目にして調べてみて良さそうだったので
早速ConoHa WINGへ移行することにしました。
ConoHaWINGの初期費用無し、今なら10月12日まで3か月20%オフもきっかけです。
開始日が月の途中で1ヶ月に満たない場合は時間での料金なのも良いですね。
自分のレンタルサーバーを選ぶポイントは
移行するにあたって、自分なりに基準としたポイントは
- SSHが使える(移行作業やメンテナンス等々に使います)
- cronが使える(ファイル及びMySQLのバックアップスクリプトを動かします)
- コントロールパネルが複雑でなくて分かりやすく使いやすい
- メールアカウントがドメイン毎に設定できる。
- 初期費用がかからないか安価、月額費用もあまり高くない。
- SSDを使用して高速
メールアカウントについて例えばさくらだとinfoと言うユーザ名と設定したドメインが同じに
なります。info@aaaa.comもinfo@bbbb.comもinfo@cccc.comも同じところに入ります。
infoとかよく使うアカウントを設定しても全部同じアカウントにメールが入るので、
運用上困るんですよね。
さくらでそれを別にしようと思ったら別途メール用に一番安いプランを契約して、
そっちでメールアカウントを設定してMXレコードをそっちに向けるか、もっと上位プランに
するしかないです。
ConoHa WINGはそこも大丈夫でした。
安いプランでもドメインごとにメールアカウント設定できます。
あと、迷惑メールなりすまし対策の関連でConoHa WINGは
SPFレコードはデフォルトで設定されてるし、DKIMも対応してるのは嬉しい誤算でした。
さくらとかロリポップはDKIMは対応してなかったので・・・。
SPFはDNSにTXTで記述するだけなのでどこでもできますが、DKIMは対応していないと
使えないので。
ロリポップからConoHa WINGへワードプレスのサーバ移行の流れ
ConoHa WINGの契約は先に済ませておきます。
- ロリポップで動いている状態でワードプレスにログインしてプラグインを無効にします。Really Simple SSLなどSSL関連などを無効にしないと上手く行かなかったです。
- ロリポップにSSHでログインしてディレクトリ内のファイルとMySQLのDBをエクスポートしてアーカイブしてダウンロードします。(FTPだと時間がかかるし途中で止まったりする事も)
- ConoHa WINGでコントロールパネルにログインしてサーバを作成して、作成完了後に移行するドメインを追加してMySQLのDBを作成します。ドメイン追加時にはSSLは有効にしません。ネームサーバがConoHaになっていないとエラーが出るので後で有効にします。
- ダウンロードしたアーカイブをドメインの公開ディレクトリにFTPでアップロードします。
- SSHでConoha WING側にログインしてアーカイブを解凍して配置します。
- ロリポップでエクスポートしたMySQLをインポートします。
- ワードプレスの設定ファイルwp-config.phpをダウンロードしてDBのユーザ名、DB名、DBパスワード、DBサーバを書き換えて上書きします。パーミッションが600などになっていたらエラーが出るので一時的に644などにして上書きして戻します。
- 確認用URLを有効にして動作を確認してみます。
- 問題なければ、ドメインのネームサーバをConoHa WINGのネームサーバに変更します。変更して反映されるまで少し時間がかかりますが、Windowsであればコマンドプロンプトでnslookup(ドメイン名)でIPアドレスが変われば変更が反映されたと言うことです。
- ネームサーバの変更が完了したら、コントロールパネルでSSLを有効にします。
- 管理画面でプラグインを有効に。
NS-A1.CONOHA.IO
NS-A2.CONOHA.IO
NS-A3.CONOHA.IO
ワードプレス簡単移行のツールもあるようですが、環境によって上手くいかないようなので
初めから全て手動で移行しました。
ワードプレスの移行はそんな感じでだいたい4ドメインで4時間程度でした。
作業時間よりも、ドメインのネームサーバ変更やSSLの有効化など待ち時間が多いです。
リアルタイムに瞬時に反映されるわけではないので・・・。
複数ドメイン移行する場合は同時進行した方が待ち時間が無駄にならないです。
ドメインで設定しているメールアドレスがある場合はコントロールパネルで追加します。
メール設定もDNSの変更の影響を受けるので浸透するまでロリポップに入ったり、
ConoHa WINGに入ったり、エラーメールが返ったりと言うことはあります。
SSHで旧ファイルのアーカイブとMySQLのエクスポートするコマンド
ファイルをアーカイブする手順
zip -r /home/users/2/(ロリポップのドメイン)/web/backup.zip /home/users/2/(ロリポップのドメイン)/web/(ドメインの公開ディレクトリ)
(例)
ロリポップのドメインがhogehoge.chu.jpで、公開ディレクトリがkoukaiの場合
公開ディレクトリの上の階層にbackup.zipというファイルで圧縮されて保存されます。
画像ファイルなどで日本語でファイル名をつけている場合、移行先で解凍した時に
文字化けする可能性があります。
その場合はUploadsフォルダのみFTPでダウンロードしてアップロードすると解決します。
FFFTPの場合ロリポップのホスト側のファイル名の文字コードをUTF-8に設定すると
文字化けではなくなります。
とはいえ、日常的にファイル名に日本語は使わない方が移行する際の手間はないですね。
MySQLのエクスポートする手順
mysqldump –add-drop-table -h mysql000.phy.lolipop.lan -u (DBユーザ名) -p(DBパスワード) (DB名) | gzip > /home/users/2/(ロリポップのドメイン)/web/dbbkup.sql.gz
(例)
ロリポップのドメインがhogehoge.chu.jpで、DBユーザ名がdbuser、DBパスワードがdbpwd、DB名がdbnameの場合
DBサーバー(mysql000.phy.lolipop.lan)は使用しているサーバ名に変更します。
公開ディレクトリの上にdbbkup.sql.gzで保存されます。
mysqldumpが1045でエラーが出る場合は-pのあとのパスワードをシングルクオート(‘)で囲みます
上記のコマンドをSSHで打ち込んで実行するか、複数ドメインの場合はスクリプトにして実行するとかなり楽です。
FTPでダウンロードするのもbackup.zipとdbbkup.sql.gzだけなので。
テキストファイルは圧縮効果で容量が小さくなるので効率も上がりますよね。
応用編
そしてこのコマンドをスクリプトにしておき、cronでディリーで実行するようにしておけば
ファイルとDBをバックアップできるので良いです。
レンタルサーバーで自動バックアップとかついていても、何日分って決まっていて古いもの
から消えていくので、、このコマンドでだと出力ファイルを日付などにしておけば
サーバ容量のある限り好きなだけバックアップを残すことも可能です。
ConoHa WINGに移行してみた結果スピードはどう?
ロリポップのスタンダードプランからConoHa WINGに移行してみてどうだったかと言うと、
今回は一番安いプランですしリザーブドプランではないのですが、
体感できるほど速くなりました。
残念ながらスピードテストした結果をスクリーンショットするの忘れていて
旧状態のはないのですが、明らかに高速化しています。
管理画面も例えばメディアの挿入などクリックしたときのレスポンスも良くなりました。
後、FTPがめちゃくちゃ速いです。
ロリポップのスタンダードプラン500円と比較すればConoHa WINGの一番安いプランでも
1200円と月額料金は倍以上になりますが、高速化のメリットはかなりあると思います。
ConoHa WINGに移行して数日経って
ConoHa WINGに移行して数日が経過しました。
リザーブドプランじゃないので時間帯によっては若干パフォーマンスの低下はあるものの
概ねロリポップよりは速いですね。
Google Search Consoleで移行前と移行後を比較したところ…
- 1 日あたりのクロールされたページ数
- 1 日にダウンロードされるキロバイト(KB)数
この2つはConoHa WINGに変更後大幅に増加しています。
- ページのダウンロード時間 (ミリ秒)
これはロリポップの時点は平均850ms程度だったのが、
ConoHa WINGに移行して平均350ms程度になっています。
そしてグラフを見てもわかるように安定しています。
数値やグラフで視覚的にも良くなっているのが分かるので、
移行の手間はかかりましたが、ConoHa WINGに移行して良かったです。
とりあえずはリザーブドはまだ検討しなくても良さそうな感じに思えますが、
様子を見て検討するかもしれません。
ConoHa WINGの問題点 一部の環境下からのメールを受信できない
ConoHa WINGに移行して約2週間近く経ちました。
Webの速度には満足ですが、一つ問題が発生しました。
メールもConoHa WING内で設定をして使える状態にしましたが、
設定したドメインのメール宛に送信しても一部送信できない事があるのです。
こちらに届かないのでこちらは知る術がないですし、
相手側には英語のよくわからないメールが返っていくので、
送ったはずだ!ってなるんですよね・・・。
エラーメールの内容
** THIS IS A WARNING MESSAGE ONLY **
** YOU DO NOT NEED TO RESEND YOUR MESSAGE **
**********************************************The original message was received at Tue, 16 Oct 2018 19:17:02 +0900 (JST)
from ホスト名 [IPアドレス]—– Transcript of session follows —–
<hogehoge@egoiste1.net>… Deferred: 403 4.7.0 TLS handshake failed.
Warning: message still undelivered after 3 hours
こんな内容のメールが送った側へ返ってきますが、
「なんのこっちゃ?」ってなりますよね。
再送する必要はない?届いてるんだろう。と。
メール以外に連絡手段がある人なら、メール送ったけど届いた?
って電話もあるでしょうが、メールしか連絡手段がない相手だと
どうしようもなくなる。。
ConoHaに問い合わせたところ

ConoHa WINGの仕様でTLSv1.0/1.1の環境からはメールを受け付けないようになっています
えーまじで?
大手は対応しているでしょうけど、例えば小さな地域プロバイダとかだと対応していないところも
あるんじゃ??
どうやらSMTPサーバ側がTLSv1.2以前のバージョンだとConoHaWING側に接続できないようです。
TLS1.0/1.1からConoHa WINGへのTLS接続は不可。
TLSv1.0/1.1環境下からConoHaWINGで設定したアドレスへはメール送れない可能性あり
これもっとわかるようにどこかに書いておいてほしい。。
メール送れないけど設定間違えてんのかな?ってあれやこれや調べたり再設定した時間を返せ。
そういう環境の人(ISP側のSMTPがTLSv1.2以前)ってどれぐらい居るのだろう?
今回私が送信に使用したクラウドメールはFreebitの提供するサービスなので、
Freebit系のISPだともしかしたら一定数そういう人が居るのかも。
皆が皆からメールを受信できない可能性があるという事でそれは困るなぁ…
どうするか考えてみましたが、
- そんな一部の環境下の少数派は無視する
- 他社のサービスを契約してMXレコードをそっちに向けてメールのみ他社サービスで使う
ぐらいしか浮かばないですね・・・
他社のサービスって言ってもメールだけのために余分に費用が要りますし、、、
VPSならまだしもWINGだとサーバの設定を変更することもできないですし。
今回は、とりあえず自分のISPメールアドレスから自分のドメインのアドレスへ送信できないので
ISP側でConoHa WINGのメールサーバにTLS接続をしないように対応してもらう事になりそうです。
それで古いバージョンのTLSで接続しないので送信できるようになるのでは?
という事です。
しかしこの対処では自分のアドレスから送信できるようになるだけで根本的には解決してないですが…。
あらゆる人とメールのやり取りが必要な方はConoHaWINGは避けた方が良いかも。
送信できない、メールが不達なんてことが発生しうると思います。
送信者側は自分のSMTPサーバがどうなっていてTLSのヴァージョンがいくつになってるか
なんて知りえないですからね。
メール送ったのに届かんやないかい!ってなるのは目に見えてますね。
大手を使ってればまず問題にはならないでしょうけど、そうでない環境だと問題になるかもしれません。

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