国内メーカーのクランプメーターで直流・交流どちらも測れる物は高くて中々手が出ませんが、KAIWEETS製品は気軽に試せる価格帯だったので購入しました。
YoutubeでもKAIWEETS製品のレビュー動画をよく見かけますね。
製品提供やレビュー案件ではないので良いところも悪いところも見ていこうと思います。
直流も交流も電流計測できるのはHT206DもしくはHT208Dなのでご注意ください。
※KC602という新しいモデルもAC/DC対応です。
少し安いモデルは交流のみ電流計測できるものとなっています。
KAIWEETSってどこの国のどんなメーカー?
KAIWEETSの公式サイトを見ても所在地などは見つけることができませんでした。
Amazonの販売者KAIWEETSの所在地は中国深圳市となっていました。
公式サイトのストーリーによると2018年にできた比較的新しいメーカーらしい。
KAIWEETS公式サイトで公開されているHT206DのTest Reportを見ると
Manufacturer:Dongguan Habotest lnstrument Technology Co., Ltd.
Address:3/F, Building A, No.7 Liangtouwei Street, Liheng Village, Qingxi
Town, Dongguan, China
中国東莞市のHabotestという会社が作っているようです。
Habotestのページを見るとKAIWEETSで出ているものと同じ外見、同じ型番の製品が載っています。
今回レビューするクランプメーターHT206Dも載っています。
HT206DのTest Reportを見ると多くの項目をテストを行い、公開されているので信頼できそうな印象を受けますね。
クランプメーターHT206Dの機能
クランプメーターHT206Dの機能をまとめました。
- AC交流、DC直流の電流測定(クランプメーター)
- AC交流、DC直流の電圧測定
- 周波数、デューティサイクルの測定
- 抵抗値、静電容量の測定
- ダイオードのテスト、導通テスト
- 熱電対で温度測定
- NCV(非接触電圧検出)
LPF、True RMS(真の実効値)
クランプメータHT206Dを開封
HT206Dの商品内容
- クランプメーター本体
- ケース
- テストリード(赤、黒)※CAT IIIキャップ付き
- 熱電対
- 単四アルカリ電池×2本
- 取扱説明書(日本語)
HT206Dのサイズ感
縦×横×厚み:193×73×34mm
重さ:213g(テストリード含まず、単四電池2本含む)
HT206Dのテストリード
テストリードの造りはなかなかしっかりしている感じです。
コードの直径は3mmで細いわけでもなく一般的だと思います。
撮影のため先端のCATIIIキャップは外しています。
クランプメーターHT206Dを実際に使ってみる
交流電流測定
クランプメーターで電流を測定するには片方の電線だけをクランプメーターで挟む必要があるので、一部を分岐したコードを作って測定しました。
※両方のコードを挟むと電流の値が相殺されてクランプメーターの表示はゼロとなります。
交流については力率の関係で単純に電圧×電流=電力にはなりませんが、クランプメーターで表示された電流の最大値を載せています。
ウィンドエアコン
60Hzで定格消費電力635Wの窓用エアコンの電流を計測しました。
計測中の最大値は6.5Aでした。
ルームエアコン
60Hzで定格消費電力475Wのルームエアコンの電流を計測しました。
計測中の最大値は4.6Aでした。
ヘアドライヤー
60Hzで定格消費電力1200Wのヘアドライヤーの電流を計測しました。
計測中の最大値は10.55Aでした。
扇風機
60Hzで定格消費電力42Wの扇風機の電流を計測しました。
計測中の最大値は0.35Aでした。
サーキュレーター
60Hzで定格消費電力31Wのサーキュレーターの電流を計測しました。
計測中の最大値は0.42Aでした。
直流電流測定
残念ながら今回は直流電流を計測するものが手元になくて試せていません。
車の電装関係などで試せたらいいなと思っています。
機会があれば試してみて追記します。
交流電圧測定
テストリードをコンセントに差し込んで電圧を計測してみました。
結果は101.8Vでした。
直流電圧測定
付属していたアルカリ電池の電圧を計測してみました。
1.604Vでした。
抵抗値測定
温度センサーの抵抗値を計測してみました。
13.40Kオームでした。
熱電対温度測定
室温を通常の温度計と、HT206Dの熱電対を比較してみました。
HT206Dの温度表示は31℃、温度計は34℃でした。
NCV(非接触電圧検出)
テストリードを電線などに接触させなくてもクランプメーターの先端を電線などに近づけるだけで通電による電磁場を検出してアラームと画面表示で通知する機能です。
NCVモードは本体右側面のH/NCVボタンを長押しして起動します。
弱い電磁場を検出した場合は「- – L」と表示され、
強い電磁場を検出した場合は「- – H」と表示されます。
電磁場を検出するため、通電していないコードでも周囲の環境によってはアラームが鳴ることがあります。
コンセントや延長コードもそれぞれ「- – L」「- – H」と反応するので、中々検出精度は良さそうです。
LEDライト点灯
ちょっと照らしたい時に便利なLEDライト何気に助かりますよね。
クランプメーターHT206Dのまとめ
良いところ
○ACしか計測していないが、メインの機能であるクランプメーターは便利。
コードの1本を挟むだけで手軽に電流を測れるのはとても便利。
エアコンなどを計測しましたが、エアコンの動作に応じて電流値の変化が目に見えて、省エネの制御をしてるんだなとか推測できました。
○NCV(非接触電圧検出)が何気に便利。
何か作業をする前に通電していないかチェックするのにも使えるし、先端を近づけるだけで「- – L」「- – H」でどの程度なのかを知ることができる。
○データホールドボタン、MIN/MAX ボタンがあり、ディスプレイを目視できないような箇所の測定でもデータをホールドして確認できる。
MIN/MAXボタンで最小最大値を確認できる。
○超小型のLEDライト内蔵されていて暗い場所での作業時に意外と役に立つ。
明るさはそれほど明るいわけでもないですが、暗い場所で作業する際にはちょっとした灯りがあると無しでは全然違うのでありがたい。
ディスプレイはバックライトを内蔵しているので、暗い場所での作業も問題なし。
これだけの機能があってこの価格で手に入れられて気軽にクランプメーターを使ってみることができるのはそれ自体がメリットかもしれないですね。
計測数値もおかしな数値が出てくるわけでもなく、割と正確な値なのかと思います。
気になるところ
○抵抗値測定モードでテストリードをショートしても0オームにならず、ゼロアジャスト機能もない。
0.001オームで安定してれば問題ないですが、0.01とか数値が安定しないのが微妙。
そこまで正確な抵抗値計測が必要な場合は日置とかちゃんとしたマルチメーターなどを使うべきですね。
○付属のキャリングケースがペラペラの薄さで保護性能がほぼない。
薄い生地なので衝撃などから守ってはくれない感じです。
持ち運びが多い方はしっかりしたケースを買う方が良いと思います。
○NCV(非接触電圧検出)は電磁場を検出してアラームを鳴らすため、周囲の環境によっては通電していないコードでも反応することがある。
電磁場を発生させるものから遠ざけてチェックする必要があります。
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